記事の内容
Adobeで提供していますデジタルイラスト・画像の編集を得意とする「Photoshop」について基本的なことを解説していきます。
まずは「Photoshop」は何ができるかをデスクトップ板をベースに説明して、「Illustrator」との違いや類似したアプリの紹介、支払い方法などの順に解説していますのでぜひ参照してみてください。
Photoshopとは

このアプリは写真の切り抜きや複数の画像を合成といった編集、イラストを描くことができるソフトウェアとなっております。
他にテキストを追加して装飾が施したり、生成AIツールで新たなものを生成できたりとこのツールを使用すれば、魅力的なものを作り上げることができます。
写真編集やグラフィックデザインを極めたい人におすすめのソフトとなっております。
アプリで使用のデスクトップ版とiPad版、ブラウザー上で利用可能なWeb版があり、できることも変わりますので利用してみて自分に合ったものを探してみましょう。
機能の多さは「デスクトップ版」>「Web版」>「iPad版」の順となっており、基本操作はマウスやキーボードならデスクトップ版とWeb版、タップ操作とペンでの使用ならiPad版です。ペンタブや液タブ、片手デバイスを接続して快適にすることも可能です。
Photoshopの強み・長所
画像編集ソフトには「Affinity Photo」、「GIMP」、「Canva」、「Photopea」など、競合ソフトが数多くあります。何故その中でPhotoshopが使われているのか? 長所や抜きんでている主な特徴を解説していきます。
圧倒的な精度と自由度
「細かい制御」が圧倒的にしやすいのがPhotoshopの強みです。ほんの数ピクセルの肌のトーン補正、影のグラデーション調整など、プロが求める繊細な編集を実現可能にしています。
レイヤー、マスク、チャンネル、スマートオブジェクトなどを組み合わせることで、複雑な合成や修正を柔軟に行えて表現の幅が広がりオリジナル性の高い作品ができるでしょう。
AI機能と自動化性能
他ソフトにも自動補正機能はあるが、Photoshopほど「自然で正確」ではありません。Adobe独自のAIモデル(Firefly)は商用利用にも対応しており、実務でも安心して使えますので、もし機能を多用するするならこのソフトを選ぶべきでしょう。
AIを利用した機能では、「生成塗りつぶし(Generative Fill)」や「生成拡張」といった、Adobe Firefly AIを活用した最先端の画像生成機能を搭載しています。
背景の削除、被写体選択、不要物除去が数秒で完了するので、ストレスなく作業に集中することができます。
デザイン・映像・3Dなど他分野との連携力
「Illustrator」、「Lightroom」、「After Effects」、「Premiere Pro」などAdobe製品間の連携が非常にスムーズ。
例えば、llustratorで作成したベクター素材(ロゴ・図形・文字)に影・テクスチャ・光沢などのリアルな質感を追加したい場合、「(名前).ai」
ファイルをスマートオブジェクトとして読み込むことでPhotoshopに自動反映され加工を行うことができます。
【Photoshopを中心とした他のAdobe製品との連携例】
連携アプリ | 主な目的 | 具体例 |
---|---|---|
Illustrator | ベクター素材との融合 | ロゴや文字装飾を合成 |
Lightroom | 写真整理・現像 | 明るさ調整後にレタッチ |
Adobe Express | SNS・バナー作成 | Instagram用画像加工など |
Premiere Pro | 動画編集 | サムネイル・テロップ |
After Effects | 動きのある表現 | キャラクターアニメ化 |
InDesign | 印刷レイアウト | パンフレット・冊子作成 |
Illustratorで描いたロゴをPhotoshopに配置 → After Effectsでアニメーション化 → Premiereで動画編集。
この流れを「一気通貫」で行えるのはAdobeだけ。
豊富なプラグイン
Adobe公式でエンタープライズ/ビジネス製品向け拡張プラットフォームの「Adobe Exchange」があり、Photoshopにカスタマイズが行えます。主に Adobe Experience Cloud(マーケティング、アナリティクス、Commerceなど) 向けの拡張機能・統合ツールを提供しています。
インストールなどは、「Creative Cloud」アプリを開いてプラグインの管理を行います。

【Photoshop 向けのプラグインの一部紹介】
名称 | 概要・特徴 |
---|---|
Free Retouch Panel for Adobe Photoshop (Kuafara) | 高品質なレタッチ支援パネル。肌補正、修正などのツールをワンクリックで呼び出せる補助機能。 |
Free Web Sharpen Panel by Greg Benz | ウェブ用に画像を出力する際に必要な処理を手早く行う機能を追加。特に「リサイズ → シャープ → 出力」など一連の作業を効率化。 |
Photo Collage Maker | テンプレートや自動配置機能を利用して効率よくコラージュを作成できるように設計されたプラグイン。 |
Nano Banana, Flux Kontext and Seedream | 前景色の使用や参照画像などの追加機能による高速生成。編集結果が新しいレイヤーとして出力される。 |
Photoshopの短所・弱点

Photoshopは業界標準で非常に高機能ですが、「他ソフトと比べて見劣りする部分」や「弱点」も存在します。
価格が高く、買い切りがない
Photoshopを含めAdobe製品は月額制(サブスクリプション)のみで、長期的にはコストが高くなってしまいます。そのため、趣味ユーザーや学生にとっては「コスパが悪い」と感じやすく値段が手軽なソフトを選ぶことになります。
比較例:
ソフト | 料金体系 | 価格目安 |
---|---|---|
Adobe Photoshop | 月額制 | 約3,280 円/月 |
Adobe フォト | 月額制 | 約2,380 円/月 |
Affinity Photo | 買い切り | 約10,000円前後(永久) |
GIMP | 無料 | ¥0 |
CLIP STUDIO PAINT | 買い切り/月額あり | 約5,000円〜 |
ソフトが重い(高スペックPCが必要)
「Photoshopが重い」という意見は少なくはなく、古いPCや低スペックのPC、環境の設定によって動作が重くなったりフリーズしてしまったりします。使い続けるには他ソフトよりハードルが高くなるのが否めません。
公式でも「Photoshop のパフォーマンスの最適化」として環境を快適にするための方法を載せており、お持ちのPCで改善できる場合がありますので試してみましょう。
もし、これからPhotoshopを使う予定の方は、PCに通常のデザイン・写真編集用途を快適に行いたいなら、10〜20万円台 の構成が現実的でしょう。最低限「画面に画像を表示・編集できるレベル」であれば、5〜8万円台 の構成(妥協あり)でも可能ですが、動作は重く感じることが多いのでおすすめはできません。
スペックの詳細については、公式の「Photoshop の必要システム構成」等を参照してください。
操作が複雑で、学習コストが高い
ツールやショートカット、設定が多く慣れるまで時間がかかり、使いこなすまで時間がかかってしまいややハードルが高いです。軽い編集だけなら他ソフトを選ぶとよいでしょう。
ただ、チュートリアルや動画教材といった学習リソースが多く、初心者でも独学しやすいのが利点でもあります。公式でも動画で学べるチュートリアルが用意されているので利用してみてください。
公式のチュートリアルはこちらからhttps://www.adobe.com/jp/learn/photoshop?learnIn=1&locale=ja#

Photoshopの機能一覧
デスクトップ版での解説となります。
対象を切り抜き
被写体の形状に沿って切り抜いたり任意の形で切り取ることができます。工程の順として対象を選択範囲に指定した後、マスクをかけて対象外を視えないようにしています。
〈対象を選択範囲に指定〉

〈マスクを適用〉

詳細な部分も編集を行うことができ、ブラシを使って境界線を調整や一部を半透明にしたり、ぼかし効果やコントラストの強弱をつけたりと細かな設定が可能です。

「シェイプツール」で作成したものを選択範囲に指定して切り抜くことも可能。「ペンツール」で好きな形状にして切り抜いてもできます。

色調補正
【加工前】

【加工後】


複数の画像を合成
切り抜いた写真や背景画像といった素材を複数重ねたりして新たな一枚を作成します。工夫次第でオリジナルティーの高い作品を生み出せるので、もし基本的な作業になれましたらチャレンジしてみましょう。

また、質感に合わせて馴染ませたり、写真の遠近感(パース)に合わせて配置させることも可能です。
30,000以上のフォントを使用

photoshopに限らず、いずれかのCreative Cloudプランに加入していれば、制限無しで30,000以上のフォントを使用可能。日本語も約1,000種類あり、Adobe Fontsで様々なフォントが紹介されており追加することができます。
個人で使えるのはもちろん、商用としても利用ができ、すべてのフォントに同一のライセンスが付与されています。フォントのライセンスについて
日本語書体(和文フォント):明朝体、ゴシック体、UDフォント、クラフト体、丸フォーク体など(日本語書体一覧)
欧文書体(欧分フォント):セリフ体、サンセリフ体、オールドスタイル、スラブセルフ体など(Adobe Fontsオススメ欧文書体)
特定のフォントでも線の幅が異なったものが用意されており、「フォントファミリー」として一括りにまとめてあります。
「ヒラギノ角ゴシック」の場合:[W0]〜[W9]

「ワープ」を使用して文字の形状を変えることもできます。上部メニューから”編集/変形/ワープ”を選択してオプションバーで種類を選びます。

また、パスに沿って文字を入力することができます。

ぼかし機能で加工
「ぼかしツール」でフリーハンドにぼかしたり、「フィルター」で画像全体を適応させるなど加工が行えます。ただ画像をぼかすだけではなく、「フィールドぼかし」などで光のボケや虹彩を調整して表現を変えることができます。
【加工前】

【加工後】

ぼかしの加工方法にはいくつかあり、目的に合わせて使用しましょう。

下記の画像は「ぼかし(移動)」を適応させて疾走感を出しています。

ブラシツール
イラストを描いたり、画像編集の微調整を行う際に便利なツールとなっています。ブラシの形状を変更する他、向きや間隔、細かな設定をすることが可能です。

など
他には「ぼかしツール」や「シャープツール」など、領域を変形させるものもあります。「塗りつぶしツール」、「グラデーションツール」などの機能も用意されています。

「ぼかしツール」

「シャープツール」

「指先ツール」

ミラー機能もあり左右対称に描画できるほか、波状や放射状といった描き方ができます。


この機能は「ブラシツール(B)」と「消しゴムツール(E)」が対象となります。「塗りつぶしツール」などは適応しません。
「二軸」

「マンダラ(8等分)」

AI生成機能
この機能は選択範囲を指定してから、入力(空欄)したキーワードに沿って生成または削除することができます。種類として3つあり「生成塗りつぶし」、「生成拡張」、「合成で馴染ませる」方法があります。
生成塗りつぶし


生成拡張


合成で馴染ませる


Illustratorの違いは?

「Photoshop」と並んでAdobeで代表的なソフトの一つ「Illustrator(イラレ)」は拡大・縮小を行なっても変形しづらいベクターデータを用いて、ロゴやアイコンといったデザインを作成しやすい環境が整えられています。
「Photoshop」は主にラスタデータというピクセルが集まって描画がなされているため、画像をスマートオブジェクトを適用したりなど、ある程度は変形を抑えることはできますが数パターンの作成ような作業は大変かと思われます。
>> 紹介ページはこちらから
「Illustrator」で作成された各オブジェクトやテキストなどにはアピアランス属性といったデータで保存されており、属性の追加や編集を行う子ができます。

類似したソフトウェア
買い切りで使える「Affinity Photo」

Photoshopに近い操作体系で、買い切り型(約10,000円)で高性能という点が大きな魅力です。コストを抑えつつ、本格的な編集をしたい人に最適なソフトウェアです。
長所として、低スペックなPCでも快適に動作ができること。高品質なレタッチ機能が搭載しており、修復ブラシ、スタンプツール、ノイズ除去、HDR合成などプロ向けツールが揃っています。「Affinity Designer」、「Affinity Publisher」の他Affinity製品との連携がスムーズです。
短所としてはPhotoshopのような「生成塗りつぶし」「AIノイズ除去」「自動被写体選択」などの
生成AI・機械学習系機能は少ないのと、プラグイン・拡張性が低く自動化や効率化には不向き。
「コスパの高い写真編集ソフト」ですが、商業印刷やデザイン会社では依然としてPhotoshopが標準※であり、日本語教材や解説サイトが少ない状況です。
>> 公式ページはこちらから
※参考:「WMTips(wmtips.com)」、「Exploding Topics」
無料で使える「GIMP」

photoshopと似た機能が多く無料で使うことができますが、有料アプリと比べると下位互換になってしまい操作方法も覚える必要がありますが、このようなアプリを使ってみたいという方には使用してみてはいかがでしょうか?
>> 公式ページはこちらから

水彩画・油画が描ける「Adobe Fresco」

アナログ画のような描画ができる、iPadやiPhoneを含んだタッチ対応デバイスで使える無料アプリです。ブラシの種類は様々ありスケッチやペイント、コミックで使われるようなブラシが用意されブラシの追加も手軽にできます。水彩画や油絵のような表現ができますし、ちょっとしたアニメーションも作れますので機会があれば試してみてください。
>> 公式ページはこちらから


たくさんの写真を管理するなら「Photoshop Lightroom」

大量の写真の編集・管理向けのアプリとなっており、手動で簡単な加工や生成AIを使った削除、ぼかし、生成など加工に必要な機能が揃っています。細かい編集ができる「Photoshop」などとセットになったプランもありますのでクオリティの高い一枚を作りたいならぜひ試してみてください。
>> 公式ページはこちらから

漫画・アニメ制作向けの「CLIP STUDIO PAINT」

「クリップスタジオペイント(クリスタ)」はイラストや漫画、アニメーションを描くために開発されたアプリとなっており、無料で使えるブラシは4万点以上、無料素材は10万点以上、3Dデッサン人形で作画をサポートしてくれたりと様々な機能が搭載されています。
>> 公式ページはこちらから
3段階のグレードがあり、「CLIP STUDIO PAINT EX」、「CLIP STUDIO PAINT PRO」、「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」が用意されています。
支払い方法は常に最新機能が使える年額・月額払いと特定のバージョンが無期限で使える一括払い等があります。また、ダウンロード版かパッケージ版かで選ぶこともできます。
CLIP STUDIO PAINT EX
- 便利な機能が多く制作を速く進める
- 複数ページの漫画やWebtoonを描きたい
- アニメーションを作りたい
CLIP STUDIO PAINT PRO
- イラスト制作をしたい
- 短めの漫画が描ける
- モーションのあるイラストが作れる
- 印刷物やWeb、グッズなどのデザインに使いたい
CLIP STUDIO PAINT DEBUT
- デジタルでのイラスト制作をしたい

利用方法について
利用するにはアカウントを作成してプラン(月々払いあるいは年間払い)を購入してからアプリまたはブラウザで利用することができます。デスクトップ版やweb版、モバイル版、タブレット版があります。
支払い方法
購入するには以下の支払いを行い、アプリまたはブラウザを起動して利用することができます。
個人版 | グループ版 | |
クレジットカード | ○ | ○ |
PayPal | ○ | × |
ApplePay | ○ | × |
GooglePay | ○ | × |
PayPay | ○ | ○ |
銀行振込 | × | ○(※) |
請求書支払い | × | ○ |
※年間プラン一括払いの場合のみ利用可能
購入後は自動更新となり期限を過ぎた場合、自動で支払いがされます。一定期間が過ぎないと解約する際、違約金が発生しますので解約する際は更新前にするように気をつけてください。
プランの詳細
プランの対象が「個人向け」や「学生・教職員向け」、「ビジネス版」に分かれており、月々払いあるいは年間払いのどちらかを決めることになります。
初めての方には一定期間だけ無料で利用することができ、試したいだけの人でも期間が過ぎるまで解約すれば支払いは発生しませんので大丈夫です。
アプリケーションをダウンロード
アプリ自体は無料ですので、アプリストアや公式ページからアプリをダウンロードしてください。
↓こちらから各デバイスなどのアプリをダウンロードできます。


解説は以上となります。見ていただきありがとうございました。