【初心者からプロまで】Adobe Illustratorでデザインの可能性を広げよう!

illustrator

記事の内容

 「もっと本格的なロゴを作りたい」「SNSの投稿デザインをワンランク上げたい」――そんな風に感じたことはありませんか?
無料ソフトでもある程度はできますが、デザインのクオリティや自由度には限界があります。

 そこで、多くのデザイナーやクリエイターが愛用しているのが Adobe Illustrator(イラストレーター) です。また、趣味としてSNSアイコンやイラストなどオリジナルの作品を作りたい人にもオススメです。

「ロゴやアイコンをプロっぽく作りたい」

「副業やデザイン案件に挑戦したい」

「無料ソフトだと限界を感じている」

 もし、このような願望や悩みを解決したいなら、ぜひAdobe Illustratorを使ってみましょう!

 <初めての方は無料体験版を一定期間利用ができます。>
  • 購入前にじっくり試せる
  • 全機能が使えるので安心
  • 気に入らなければ解約可能(無料体験期間終了後14日間の猶予あり)
※Adobeから引用、購入画面

なぜIllustratorが選ばれるのか?

業界標準のベクターデザイン

 ベクターデザインとは拡大縮小しても劣化しない劣化しないデジタルデザイン手法のこと。それを扱うアプリケーションの中で多く使われているのが「Illustrator」です。

 参考として「WMTips(wmtips.com)」の調査では2025年時点で日本国内では70%以上のシェアで市場を独占しています。2位はAffinity Designerが12.3%、3位がSketchは10.4%です。

リンクはこちらからhttps://www.wmtips.com/technologies/vector-graphics-editors/country/jp/

※「WMTips(wmtips.com)」から引用

 また、「Exploding Topics」で載せているレポートでは、Adobe製品がグラフィックデザインソフトウェア市場の80%以上を占めているとのことです。

 その割合でIllustratorが12.25%、「Photoshop」は41.74%、「Adobe InDesign」が26.13%とAdobe製品を使っている人が多いことがわかります。

リンクはこちらからhttps://explodingtopics.com/blog/graphic-design-stats?utm_source=chatgpt.com

※「Exploding Topics」から引用

 AI形式(.ai)は事実上の「共通言語」であり、印刷会社や他のデザイナーとのデータ共有がスムーズになるでしょう。もしデザイン業界・印刷業界・広告業界などで仕事をするならこのアプリケーションを選ぶ理由になります。

精密なベクター制御

 Illustratorが得意とするベクターデザインは、線・曲線・図形などを「数値情報(座標や角度)」で表現し、拡大・縮小しても劣化しないデジタルデザイン手法のこと。

 この手法が他アプリよりも優れており、パスやアンカーポイントの操作が非常に正確ペンツール・シェイプ形成ツール・パスファインダーなどが強力です。ロゴ・アイコン・パッケージデザインなど、ミリ単位の作業に最適なツールとなっています。

 ただし、写真のような細かい質感は表現しにくいのが短所で、自然な陰影やグラデーションは手間がかかってしまいます。複雑なデザインだとファイルが重くなることが多々あるので写真やリアル画を加工、作成するのはPhotoshopなどをおすすめします。

チュートリアルとサポート情報が豊富

 初心者からプロ問わず多くの方々が利用しているソフトであり、機能についての説明してくれる記事や動画、専門の講師から学ぶことができIllustratorのことを知るには様々な方法があります。

 公式からも機能の使い方を学べるチュートリアルがありますので、購入を検討している方でもどういったことができるのか覗いてみてもいいかもしれません。

公式のチュートリアルはこちらからhttps://www.adobe.com/jp/learn/illustrator?learnIn=1&locale=ja

※公式チュートリアルページ

 使い方や作成に困ったときに「検索すれば解決できる」安心感が選ばれる理由かと思います。

他のAdobe製品との連携

 Photoshop、InDesign、After Effectsとの連携がスムーズであり、Illustratorでは難しい作業を他アプリで編集、また逆に他アプリで作成したものを編集したりと作業が効率よく進めることができます。

例:Illustratorで作ったロゴをPhotoshopで加工、InDesignでレイアウト編集。

 Creative Cloudを通じて素材(フォント・カラー・アセット)も共有も可能で、Creative Cloudライブラリで共通素材を管理すれば、チーム間で統一デザインを維持できるのも便利です。

【 Illustratorを中心としたAdobe製品との連携例 】

連携アプリ主な使い方メリット
Photoshop(Ps)Illustratorで作ったベクターをPsに読み込み、質感・エフェクト・陰影などを追加ベクター+ラスターの長所を組み合わせた表現が可能。ウェブ用ビジュアルや広告に最適。
InDesign(Id)Illustratorで作成したロゴ・図表・イラストを誌面レイアウトに配置印刷用レイアウト(パンフレット、雑誌、ポスターなど)で統一デザインが実現。
After Effects(Ae)Illustratorのレイヤー構造を保持したまま読み込み、アニメーション化ロゴアニメーションやモーショングラフィックに最適。Aiデータを動かせる。
Premiere Pro(Pr)動画編集時に、Illustratorで作成したタイトルやロゴを使用高解像度なテキスト・ロゴを動画内で綺麗に再生できる。
XD(Adobe XD)UIデザインやワイヤーフレームにIllustratorのベクター素材を組み込みウェブ・アプリのUI設計で正確な形状データを活用できる。
Frescoタブレットで描いたベクターイラストをIllustratorで仕上げ手描きの自然なタッチをそのままベクターデータ化。デジタル×アナログ融合に便利。
Animate(旧Flash)Illustratorのパスやレイヤーをアニメーション素材として利用ゲームやWebアニメーションでベクターを軽量に動かせる。
Acrobat / PDFIllustratorから高品質PDFを書き出し、Acrobatで校正・注釈をやり取り印刷前の確認やクライアントとのやり取りがスムーズ。
Adobe StockIllustrator内から直接素材(ベクター、写真)を検索・購入外部ブラウザを使わずにデザインに即活用できる。
Adobe Fontsフォントを自動同期し、Illustrator内で利用フォント管理が統一され、他アプリでも崩れにくい。

拡張性と自動化

 llustratorは基本機能に加えて、外部プラグイン・スクリプト・連携アプリを通じて機能を拡張することができます。

外部プラグイン

 Illustratorの機能を直接拡張する追加モジュールであり、特定の業界や用途向けに特化したプラグインが数多く存在しています。追加すれば作業時間短縮新しい表現の可能性業務特化に期待できます。

プラグイン名主な機能用途
Autosaviour(Astute Graphics)ファイルの自動保存、バックアップ、および事前通知作業効率向上
Boxshot — Origamiダイラインを折って 3D オブジェクトを作成3Dデザイン制作
VectorScribeベクター編集の精密化ロゴや地図制作
CADtoolsCAD的な寸法線、スケール機能を追加建築・製図系デザイン

Adobeホームページで載せているプラグインはこちらからhttps://helpx.adobe.com/jp/illustrator/plug-ins.html#

スクリプト

 自動処理のためのコード「スクリプト(JavaScript / AppleScript / VBScript)」を使って、繰り返し作業を自動化できます。

 公式にJavaScript(プログラミング)がサポートされており、Windows・macOS両方で動作します。

 例:

  • 一括で複数ファイルの書き出し(PNGやSVGなど)
  • オブジェクトの自動整列や配置
  • テキストや画像の一括差し替え
  • グラフや地図データの自動生成

 テキストエディタ(Visual Studio Code、Notepad++、CotEditorなど)を用いてコードを書き自作するか、個人が提供してるスクリプトを無料・有料で入手したファイルを利用するかたちとなります。

 スクリプトファイル(.jsx)をIllustratorにドラッグ&ドロップで実行できます。
「File > Scripts」メニューに登録も可能。

連携アプリ

 他のアプリケーションや自社システムと結びつけてワークフローを自動化・拡張するための強力な仕組みを設計します。

 IllustratorにはAdobe ExtendScript APIやAdobe CEP (Common Extensibility Platform)があり、HTML/CSS/JavaScriptベースで拡張パネル(UI付きツール)を開発することも可能です。

例:

  • Illustratorを自動で操作(開く・書き出す・編集する)
  • 自社システムやWebアプリと連携
  • Adobe以外のアプリとデータ交換

 Adobe Developer Console経由でAPIを利用する流れとして

  1. Adobe Developer Console でプロジェクト登録・API 有効化
  2. 認証・トークン取得
  3. Adobe API エンドポイントを呼び出す
  4. API 利用後の管理/更新

 となります。

Illustratorの不満点

料金が高い

 プランが月額や年額で支払うサブスクリプション制のみで、買い切り型が存在しません。年間プランでも安くはなく、「使わない月がもったいない」という声が多いです。

 学生・教職員以外は価格面で負担が大きく、個人で利用するとなると毎月の支払いにストレスを感じてしまうのが辞める理由になります。

例:「ちょっとしたロゴ作成だけで月額払うのはきつい」「昔みたいに買い切りに戻してほしい」

動作が重い・クラッシュする

 パソコンによりますが、複雑なベクターデータや3D効果を適用したオブジェクトなどの大きなファイルになると動作が重くなる。

 macOSやWindowsの環境によってはフリーズ・強制終了することもあり、場合によってGPUの相性などスペックの高い機器を用意する必要があるのが、ハードルを高く感じてしまう要因かと思います。

例:「アートボードが多いと動作がもっさり」「保存時に固まる」

操作が複雑・学習コストが高い

 やれることが多い分、機能が多すぎて初心者にはとっつきにくく感じてしまい続ける人が多くありません。

 いざ、始めようと作業画面を見るとツールの多さ、いろんな機能が至るところに敷き詰められているので圧倒されてしまい抵抗を持ってしまうかと思います。チュートリアルや解説してくれているサイトはありますが、とにかく情報量が多いので覚えるのが大変じゃないかと。

例:「どのツールで何ができるか分からない」「FigmaやCanvaの方が直感的」

それでもIllustratorが選ばれる理由

不満はあるものの、多くのデザイナーが使い続けているのは以下の理由があります。

  • 印刷・出版業界とのデータ互換性が圧倒的に高い
  • ベクター表現の精度と安定性
  • 長年の実績と業界標準ツールとしての信頼性

Illustratorの機能一覧

デスクトップ版での紹介となります。

ペンツール

 「点(アンカーポイント)」と「線(パス)」を結んで描くツールです。制御された精密な線を作るのに使われ、「塗り」のカラーを指定すると、内側を覆うように塗りつぶされます。

【 基本の仕組み 】

  • アンカーポイント:線を構成する「頂点」のような点です。クリックして打っていくことで、直線を作れます。
  • パス:アンカーポイント同士を結ぶ線。Illustratorでは、このパスを編集・変形して、自由な形を作ります。
  • ハンドル:曲線を作るときに出てくるガイドのような線。ハンドルの長さや角度で、カーブの滑らかさや方向をコントロールします。

文字ツール

 デザインの中にテキストを配置・編集するための基本ツールです。ロゴ、ポスター、チラシ、ウェブデザインなど、ほぼすべてのデザインで使われる重要な機能です。

【 文字ツールの種類 】

名称説明
文字ツール一般的な横書きテキストを入力します。
縦書き文字ツール日本語デザインなどで縦書きテキストを作成します。
エリア内文字ツール四角形や円などの図形の中に、テキストを流し込みます。
パス上文字ツール線(パス)に沿って文字を配置します。カーブ文字などに使われます。
縦書きエリア内文字ツール図形の中に縦書き文字を流し込みます。
縦書きパス上文字ツール線の形に沿って縦方向に文字を並べます。
文字タッチツール文字の移動、拡大・縮小、回転や重ね合わせ

【 編集の基本操作 】

オプションバーや文字パネル、上部にあるメニューから編集ができます。

操作方法
フォント変更文字パネルまたは上部メニューからフォントを選択
文字サイズ変更文字パネルまたはコントロールバーの「サイズ」欄
行間(リーディング)文字パネルの「行送り」設定
文字間(カーニング/トラッキング)文字パネル内の設定で調整可能
色変更ツールバーまたは「カラー」パネルから設定
アウトライン化上部メニュー →「書式」→「アウトラインを作成」(フォントをシェイプに変換)

【 文字ツールの使い方 】

  1. ツールバーで「文字ツール (T)」を選択
  2. アートボード上をクリック → テキストを入力できます。

【 エリア内文字ツールの使い方 】

  1. 四角形ツールなどで枠を作る
  2. 「文字ツール」でその枠をクリック
    → 枠の中に文字を流し込むことができます。

【 パス上文字ツールの使い方 】

  1. ペンツールなどでカーブを作る
  2. 「パス上文字ツール」を選択
  3. パスをクリックして文字を入力

文字タッチツールの使い方 】

  1. ツールバーから「文字ツール(T)」で文字を入力
  2. その文字を選択した状態で、ツールバーの「文字タッチツール」を選ぶ(またはショートカットキー Shift + T
  3. 文字をクリックすると周囲に「バウンディングボックス(四角形の枠)」が表示されますので任意の操作を行なってください。
操作内容方法
文字の位置を移動文字をドラッグして動かす
文字の回転バウンディングボックスの外側をドラッグ
文字の拡大・縮小角のハンドルをドラッグ
縦・横方向の拡大縮小Shiftキーを押さずにドラッグすると縦横比を変更可能
基線の移動Alt(Option)キーを押しながらドラッグ
水平スケールのみ変更Cmd(Ctrl)キーを押しながらドラッグ

図形ツール

 複数の基本形状ツールの総称で、長方形や楕円、多角形などを描くためのツールを選びドラッグ操作や数値入力で正確な形を描くことができます。

基本操作

  • ドラッグ操作: 図形を自由な大きさで作成
  • Shift + ドラッグ: 正円/正方形など比率固定
  • Alt(Option) + ドラッグ: 中心から描画
  • クリック: 数値入力で正確な大きさを設定可能(例:幅100mm × 高さ50mm)

図形ツールの種類と使い方

ツール名主な用途と操作方法
長方形ツールドラッグで四角形を描画。Shiftを押すと正方形に。
角丸長方形ツール角が丸い四角形を作成。角の丸みは後から調整可能。
楕円形ツールドラッグで円や楕円を描く。Shiftで正円に。
多角形ツールクリックで中心位置を指定 → 頂点数と半径を入力して正多角形を作成。
星形ツールクリックで中心位置 → 半径と角数を入力。ドラッグ中に↑↓キーで角数変更。
フレアツールレンズフレア風の光の効果を作成。主に特殊効果用。

基本的な編集方法

編集操作方法
サイズ変更選択ツールでバウンディングボックスをドラッグ
色変更(塗り・線)ツールバーまたは「カラー」パネルから設定
線幅変更「線」パネルで調整
角の丸み調整角のハンドルをドラッグ(リアルタイムに変化)
回転・反転「変形パネル」または「回転ツール」で設定
正確な数値変更上部のコントロールバーまたは「プロパティ」パネルで数値入力

ブラシ

 Illustratorの「ブラシ」は、線(パス)に対して独自の見た目や質感を与える機能です。
単なる線の太さや色の変更にとどまらず、筆のタッチ、模様、アート風の装飾などを簡単に表現できます。

【 基本的な使い方 】

  1. ブラシパネルを開く
     メニューから「ウィンドウ」>「ブラシ」 を選択。
  2. ブラシを選ぶ or 読み込む
     ・標準でいくつかのブラシライブラリがあります。
      (ブラシパネル右下の「ブラシライブラリを開く」→「装飾」「芸術」など)
     ・または自作ブラシも可能。
  3. パスを描く or 選択する
     ペンツールや鉛筆ツールなどでパスを描きます。
  4. ブラシを適用する
     パスを選択 → ブラシをクリックで適用。
     (※ストロークカラーを変えるとブラシの色も変わります。)

ブラシの種類

 大きく5種類のブラシで分けられており、用意されているものの他に追加が可能でダウンロードや「新規ブラシ」でオリジナルを作成することができます。

ブラシ名特徴主な用途
カリグラフィブラシペンや筆のようなストローク。線の太さや角度が変化。手書き風ロゴ、イラスト線画
散布ブラシシンボルをランダムに散らすブラシ。花びら・星・葉っぱなどの装飾
アートブラシアートワーク全体を線に沿って伸ばす。リボン・縄・波線などのデザイン
パターンブラシパターンを繰り返し配置(コーナーも自動調整)。フレーム・飾り枠・装飾ライン
絵筆ブラシ ストロークの方向に応じてテクスチャが自然に変化。スケッチ風、ラフデザインの作成

ブラシのカスタマイズ 】

 シェイプを選択した後に、ブラシパネル右上メニュー →「新規ブラシ」ブラシパネル下の「プラスアイコン」をクリック。サイズ・散布・回転・カラー変更などの詳細設定を行なって作成する。

パスファインダー

 複数のシェイプ(図形)を組み合わせて新しい形を作る機能であり、作成したシェイプ同士を「足したり」「引いたり」「交差させたり」して思い通りの形を作成できます。

【 基本的な使い方 】

  1. 複数の図形を選択する(Shift+クリック)
  2. 「ウィンドウ」→「パスファインダー」でパネルを開く
  3. 目的のボタンをクリック

Alt(Option)キーを押しながら」クリックすると、
結果がすぐに確定せず、「複合シェイプ(ライブ状態)」として後から調整できます。
(形を変えても自動更新される便利モード)

【 形状モード 】

上段にある4つのボタン。図形を組み合わせるときに使います。(前面のオブジェクトが優先)

名称説明
合体選択した図形を一つの形にまとめる
前面オブジェクトで型抜き上にある図形で下の図形をくり抜く
交差重なっている部分だけ残す
中マド重なっている部分を削除する

【 パスファインダー 】

下段の6つのボタン。図形を分割・整理するときに使います。

名称説明
分割図形の交差部分で区切り、別々のパスにする
刈り込み重なった部分をカットし、塗りを統一
合流同じ色の部分をまとめて一つに
切り抜き上の形を“マスク”として残りを削除
アウトラインすべての形を線だけにする
背面オブジェクトで型抜き下の図形で上の図形をくり抜く

アピアランス

 オブジェクト(図形や文字など)の見た目(外観)をコントロールする機能のことで、1つのオブジェクトに対して「塗り」「線」「不透明度」「効果」などを重ねて設定ができます。

 活用例として、

  1. 複数の線を重ねる:二重線や装飾線を作成
  2. グラデーションの重ね掛け:複雑な質感を表現
  3. テキストへの効果:文字として「ドロップシャドウ」「光彩」「変形」などを設定可能
  4. アピアランスの再利用:「グラフィックスタイル」として保存し、他のオブジェクトに適用

【 パネルの基本操作 】

項目説明
塗り色やグラデーションを設定。複数追加も可能。
複数の線を重ねて、縁取りなどが可能。
不透明度全体または個別の要素ごとに透明度を調整。
効果(fx)影・光彩・変形など、効果を追加できる。
並び順塗りや線を上下にドラッグして順序を変更可能。

画像トレース

 ラスター画像(写真やビットマップ)をベクター画像に変換する機能です。これにより、拡大しても劣化しない線や形として編集できるようになります。

 例えば、写真をシルエット風のイラストに変えたり、デジタルで描いたイラストやロゴ画像(JPEGやPNG)を編集したい場合に使います。

【 基本的な使い方 】

  1. 画像を選択する
  2. 画像トレースを開く
  3. プリセットを選ぶ
  4. 詳細を調整する
  5. 拡張して編集可能にする
※画像トレースの設定パネル

水彩画風のイラスト変換

〈 変換前 〉

※Adobe stock

〈 変換後 〉

【 写真を変換 】

〈 変換前 〉

※Adobe stock

〈 変換後 〉

他機能の紹介

 これまで幾らかの機能を紹介してきましたが、他にも便利な機能や効率よく作業できるツールがありますのでいくつかを簡潔に解説します。

  • パスの変形:
    ジグザグやひねり、波線などに変形。折り返しの数や角の立て方の設定をして調整。
  • エンベロープ変形:
    文字を波打たせたり、立体的に歪めたり図形を自由に変形(湾曲・膨張など)
  • ブレンドツール:
    2つ以上のオブジェクトの間に中間ステップ(形・色・位置など)を自動的に生成し、グラデーションのような効果や連続パターンの作成などに使われるツール。
  • 3Dとマテリアル:
    立体(3D)化し、さらに質感(マテリアル)やライティング、シャドウなどを付与できる機能。リアルな反射・凹凸・光沢も再現可能。
  • Photoshop効果:
    「ぼかし」「シャドウ」「テクスチャ」など、ラスター的(ピクセル的)な効果をIllustrator上でも再現できる。
  • 遠近グリッドツール:
    立体的、遠近法のあるデザインを正確に描くための機能。建物・道路・街並み・立体文字などを描くときに便利。
  • 寸法ツール:
    作成した図形やオブジェクトに対して、長さ・角度・距離などの寸法を自動的に表示できる。建築図面、製品設計図、パッケージデザインなど、正確な寸法表示が必要なデザインで特に役立ちます。
  • ベクターの生成AI
    テキストプロンプト(例:「山の風景」「和風の花」「宇宙空間」など)を入力すると、その内容に合ったベクターイラストをAIが生成。自分では思いつかない組み合わせや表現を提案してくれるのでアイデア出しにも使える。

 など

llustratorの使い方は難しい?

 最初は機能の多さに圧倒されるかもしれません。
しかし、基本操作(図形ツール・文字ツール・ペンツール)を覚えるだけで、ロゴやアイコン制作が可能になります。

  • 公式のチュートリアルで基礎から学べる
  • YouTubeやUdemyなど学習リソースも充実
  • 「Illustrator 使い方 初心者」で検索すれば無料教材も多数

類似ソフトの紹介

無料で使える「Inkscape」

 基本無料でベクターデザインできるアプリとなっており、わざわざスペックの高いパソコンを買わなくて済み学習コストを低く抑えることができます。

 ただ、作成したものを印刷する場合、工夫しなくてはいけなく商業用として利用は大変かと思われます。2D表現が中心で3Dやメッシュが苦手、フォント関連についても細かい組版は弱く作業効率に響く可能性が出てしまいす。

 Webや個人用途で使用したり、コストを抑えたいならおすすめのアプリケーションです。

買い切り型の「Affinity Designer」

 サブスクではなく一度購入すれば使い続けられるアプリケーションとなり、アップデートもありますので代替として人気のあるベクターグラフィックソフトです。

 動作が軽いのも特徴の一つで大規模なアートボードや複雑なパス操作でも快適。Windows / macOS / iPad で利用可能と、一部の機能が弱い部分もありますがIllustratorに引けを取らない性能をしています。

 コストが抑えられ十分に扱えるのですが、デザイン業界ではまだ Illustrator が圧倒的シェアを誇っており、仕事や他の人とのデータ共有時は不便になる場合があります。Illustrator に比べて学習リソースが限られるため、独学で困るケースがあります。

 仕事ではIllustrator が必須になる場面がまだ多いですが、コストパフォーマンスが高めなので個人で使ったり小規模で扱うならおすすめであります。

看板・印刷業界で強い「CorelDRAW」

 大判プリンターやプロッタとの相性が良く、欧州で広く使われているアプリケーションです。

 直感的な操作性で分かりやすいとユーザーから評価され、年間プランといったサブスクと買い切り型が存在しコストを抑えられます。確実にアップグレードしてくれるのはサブスクなので検討して購入してください。

 Illustratorとの互換性に課題があり、データのやり取りで不便な場合があります。利用している人の割合が場所によって異なるため、どちらかを使うかは各々の判断で使いましょう。

 印刷物データ納品が多いならIllustratorの方が無難であり、仕事案件重視でなければ「CorelDRAW」を選択肢に入れてもよいでしょう。

チームでの共同作業に強い「Figma」

 主に UI/UXデザインWeb・アプリの画面設計 に使われるクラウド型のデザインツールです。「デザイナー用Googleドキュメント」と言われることもあり、複数人でリアルタイムに同じファイルを編集できるのが大きな特徴です。

 PCにアプリケーションをインストールせずにWebブラウザで利用可能であり、複数人で同時編集を行うことができます。Webやアプリ画面のUIデザインをチームで効率よく作るために最適な環境が用意できるのが長所となっています。

 高度な画像編集には不向きで複雑なデザインや大規模ファイルでは動作が重くなることがあるので、プロレベルのものを作成したい場合はIllustratorなどを選ぶとよいでしょう。

 基本的に無料で利用でき、たくさんのファイルを管理したい、組織全体で共有できるようにしたい場合は有料プラン(月額・年額)が

Illustratorのプランと購入方法

※2025年の内容となります。

各プランの紹介

 Illustratorは月額や年額といった「サブスクリプション制(定額制)」で利用することができ、対象によってプラン内容も変わりますので確認していきましょう。

個人向けプラン

 単体プランIllustrator(デスクトップ版とiPad版)と、テンプレート・素材・高度機能などが使えるAdobe Express Premiumの利用が主な内容となります。

 Creative Cloud ProプランPhotoshop、Illustrator、Adobe Express Premium、Acrobat Pro – 単体プランを含む20以上のアプリが利用できるプラン。映像・Web・印刷など幅広く使いたい人にオススメです。

※購入画面

法人向けプラン

 単体プランIllustrator(デスクトップ版とiPad版)のみの内容となります。

 Creative Cloud ProプランPhotoshop、Illustrator、Adobe Express Premium、Acrobat Pro – 単体プランを含む20以上のアプリが利用できるプラン。

 購入する際は最大10人分までのライセンスを購入することができます。

※購入画面

法人、学生・教職員、教育機関プラン

 Creative Cloud ProプランPhotoshop、Illustrator、Adobe Express Premium、Acrobat Pro – 単体プランを含む20以上のアプリが利用できるプラン。

 こちらで調べた限りではIllustratorの単体プランは用意されていません。

※購入画面

購入方法

  1. Adobe公式サイトにアクセス
  2. 「Illustrator単体プラン」または「Creative Cloud」を選択
  3. サブスクリプションを選択
    「年間プラン(月々払い)」、「年間プラン(一括払い)」、「月々プラン(月々払い)」
  4. Adobeアカウントを作成し、支払い方法を登録
    個人版ではクレジットカード、PayPal、Apple Pay、Google Pay、PayPay。グループ版では銀行振込や請求書払い(一部)も可能
  5. アプリをダウンロード&インストールして利用開始App Storeからでも可能)

今すぐ始めてみよう

 最初は機能の多さに圧倒されるかもしれません。
しかし、基本操作(図形ツール・文字ツール・ペンツール)を覚えるだけで、ロゴやアイコン制作が可能になります。

💡 ポイント

  • 公式のチュートリアルで基礎から学べる
  • YouTubeやUdemyなど学習リソースも充実
  • 「Illustrator 使い方 初心者」で検索すれば無料教材も多数

 少しずつ学べば、この「Illustrator」を使いこなせるようになるでしょう。趣味で使ってもよし、仕事で使ってもよし、もしこのソフトに興味が湧いたら”無料体験期間”内でもいいので試してみてください。

解説は以上となります。見ていただきありがとうございました。

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